怒濤の一年

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 今年はご多分に漏れず、怒濤のように過ぎ去っていった1年間でした。

 振り返ってみると、「新型コロナ」が実は思っている以上に大事なんじゃないか?と認識しはじめたのは、私の誕生日の2月17日。この日に地方のお客さまから電話があって、「来週の冨山さんの訪問は、会社の方針で控えてほしいということになりました。東京からの訪問者を受け入れて、県の第一号感染者を我が社の人間にしたくないので…」といわれたことです。もちろん、当社のコンサルティングではすでにオンラインミーティングは少なからず実施していたので、問題なくリモートでのミーティングになったわけですが、なにか違う感覚がありました。

 時期が時期ですから2月の中旬以降も飲み会は多かったですが、3月の初旬に息子たちの小学校が臨時休校になり、いよいよ環境の変化が本格化していきました。当時はマスクが不足していて、布マスクに対しても否定的な意見が多く、今のようにデザインが豊富な布マスクが出回り、ましてや布マスクが標準化するなど思ってもいませんでした。

 なんだかんだ3月中旬くらいまでは出張もあったり、飲み会も中止にならず注意しながらも続けていたりとさほど生活に変化はありませんでしたし、数ヶ月で収まるのだろうという空気感があったのは覚えています。実際、前出の地方の企業さんにも「5月くらいにはまたお越しいただけるといいですよねぇ」なんて言われていたくらいでしたから。ただ、そうは言いながらも、自分の中で空気感が大きく変わったポイントと社会の空気感が大きく変わったポイントは3月下旬にありました。

 自分事としては、3月26日~27日の大阪出張のときです。行きの新幹線の中で「首都圏に外出自粛要請が出る」というニュースを確認して、スパッと27日の予定をキャンセルして26日で帰京する判断をしました。お客さまには「なんで?そんなおおごと?」と言われつつも渋々帰京後のリモートミーティングに切り替えていただきました。今だったらそこまでデリケートに判断しなかったかもしれませんが、私なりにクライアント先で初の感染者を出したら大変と考えました。契約更新時期でもありましたが、不満に思われることは覚悟して腹をくくって伝えました。ちなみに、このお客さまは本年もご継続くださっています。26日の顧客訪問はキャンセルが難しかったので訪問しましたが、できるだけ最小限の社員としか接しない状況にしていただき、さらには無理を言って大きな会議室に切り替えていただき、今となっては当たり前になったソーシャルディスタンスをとり、できるだけ短時間で会議をしたのを覚えています。

 社会的な空気感が一気に変わったのは志村けんさんが新型コロナに感染した上にお亡くなりになられたことだったと感じています。オリンピックの延期決定の数日後でしたが、延期のニュースとは比較にならないくらい報道の空気感が一変しました。そして、人が一気に外に出なくなりました。

 そして、4月に緊急事態宣言。学校休校の継続とリモートワークの徹底。この2つは「これあらた」としての打撃はなかったものの、私のその他の関わりの部分で大打撃でした。

 一つは、子供の「冨山小学校」のカリキュラム作り。普段と生活はできるだけ変えたくない。この一心でかなり頭を動かしたのを覚えています。ただ長男も次男も学校以外の学習は通信教育中心なので、オンラインで学ぶことに慣れていたことは良い方向に働きました。

 そして二つ目は、父と経営していた宅配弁当店の事業環境の激変でした。宅配弁当店というとコロナ禍で儲かっていると思われがちですが、当店のように法人会議需要を中心としていた小規模店にはかなりの大打撃でした。売上も3月は30%超減、4月~6月は50%超減。8月末には店舗の無期限休業を決めました。高齢の両親の働きがいを奪うことにもなるので悩みましたが、現在の状況を踏まえると、間違った判断ではなかったと思っています。従業員の再就職もうまくいきましたし、なにより父はたくましく別の仕事をしていますし、幕の引き方としては不幸中の幸いだったのかもしれません。

 一方で、当社としての仕事は今まで通りご依頼くださる企業さんも多く、また、残念ながら一時中止になっているお客さまにおかれても定期的にコンタクトを取ってくださったり、新しい提携先やお客さまとの出会いもありました。本当にお客さまには恵まれていると実感した一年でもありました。

 そんなこんなで、2月から12月までは一瞬で駆け抜けていったように感じました。正直なところ当社の仕事が影響を受けるのは来年からだと思っています。そんな想定の下、移動が少なかった分だいぶ考える時間は確保できているので、色々とサービス展開のしかたも考えているところです。

 まだまだ気が抜けない状況は続きますが、知恵と時間を上手に使いながら、引き続きお客さまに貢献できればと思っています。

 本年も大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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