冨山陽平のブログ “思いきり やりぬく”

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社員意識調査を意味あるものにするためには

2015/04/17 (金)

 社員の意識調査は、企業の大小問わず、予算を一切無視すれば多くの経営者・人事担当者は関心があるものです。そして、多くの会社が内製・外製問わず実施しています。この調査が「うまくいく」ためには、以下の要件を満たす必要があります。なお、「うまくいっている状態」とは、社員ができるかぎり本音で答え、経営が現状を正確に把握できて、解決すべき課題が見えている状態です。

  1. 設問を設計する際に、「何を調査したいか」の軸が明確になっている。
  2. 調査の結果有無に問わず、きちんと社員にフィードバックし、経営や人事は課題を解決しようと努力している。
  3. 調査において、「誰が答えたか?」がわからないようになっている。

それぞれ簡単に説明します。

 1は、「当たり前でしょ」と思いがちですが、社内でアンケートを作っていると、「こんな質問も聞いておいて」「こんなのも聞いておきたいよね」というふうになって、案外これが楽しくて盛り上がってしまうんですね。すると、最終的に「まとまりがないけれど、もうタイムアップだからこれで調査しよう!」という風になってしまうという話をよく伺います。こういう「横槍」や「高揚感」にブレないようにするために、まずは次の3つをきちんと定義することが大切です。

  • 「調査のコンセプト」
  • 「調査で結果がよかったら、それは実態がどういう状態になっているときか?」
  • 「調査で結果が悪かったら、それは実態がどういう状態になっているときか?」

これを文章化しておくことで、「何を問い、何を変えたいのか?」が明確な調査になり、横槍(だいたい上役からですが)が入っても、対応しやすくなります。

 2も「当たり前でしょ」と思いがちですが(笑)、結果がよくても悪くても、社員へのフィードバックというのは意外とハードルが高いものです。たとえば、よい結果がでると「んーこれは本音かなぁ」と言いながらも、気分は悪くありません。そして、結果が良いと問題が見えにくいので、「社員がいいと思っているならいいか」と、フィードバックや課題解決をさぼりがちです。しかし、結果がよい場合こそ、(’もちろん、本当によい場合もありますが、)設問設計に問題があったり、本音をいえる環境にないという極めて危うい問題が潜んでいる場合もあります。

 逆に、結果が悪いと、言うまでもなく社員にフィードバックするのを避けがちです。経営や人事にとって、ある意味では「非」をみとめる部分もあるわけですから、なかなか勇気のいることです。当社の今までの実施例では、社長や主管部署の長の決断次第というのが正直なところですが、毎年実施を重ねるごとに、フィードバックする側もハードルが下がってくるようになります。なぜなら、フィードバックをするような流れが1年目から生まれなかったとしても、担当者レベルでできるところだけフィードバックをしていくことで、翌年の自由記述欄に「調査結果をもとにした議論が出来ました」「調査結果がわからないのでは、まじめに答える気がしない!」というような温度差のあるコメントがでてくるようになるからです。

 3は、当社が調査をする際にはもっとも重視していることです。調査の結果をみるとき、どうしても「悪いところ」に目がいきがちです。そして、「誰が書いた?」「あぁ、この部署でこれだけ点を下げるのはアイツしかいない」というような個人特定になります。悪い原因を探るという意味では一見間違った行動ではないのですが、あくまで意識調査は、「誰がどう思っているか?」ではなく「その組織にいる人達が何を問題と感じてるか?」を測る調査です。その観点では、個人特定をして、本音を出にくくするのは、逆効果になります。きちんと状態を把握して、翌年度の点数を上げるためにどの項目が問題か?人ではなく課題に着目して掘り下げることが重要です。

カテゴリー: 組織(風土)変革

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