新型うつは昔からあったのでは?減らせるのか?

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 最近、新型うつの特集が組まれることが多いように思います。私の勝手な解釈では、「責任の所在が自分にあることに著しい恐怖を感じ、アレルギー的に回避したいと思う病」だと思っています。実際のところ、こういう人は昔からたくさんいたのではないかと思います。昔は会社を辞めるということが一般的ではなかったし、一時的に責任が重くて辞めたいと感じたとしても、お互いに話をする時間があるから、なんとなく持ち直せる機会もあったのではないでしょうか?私が新卒で入社したJR東日本の現場は、いわゆるお節介な人も多かったので、昔ながらの文化が残っていたようで、傍目にそういう雰囲気を感じていました。

 要するに、対面で話す機会が失われていることこそが、このような昔からあった病気(?)をメジャーなものにしてしまったのではないかと感じています。ここで、コミュニケーションを3つのパターンにわけて考えてみたいと思います。

 

(1)呼吸・鼓動・態度

(2)表情

(3)声の抑揚 (4)言語 (5)考える時間
対面 ×
声(電話など) × × ×
文字(メールなど) × × ×

この表は自分の実感で整理したものであって、なんら学問的な根拠はありません(というより、調べていません)。うちの息子をみていて思うのですが、小さい子ほど(2)を気にするし、不安になると抱っこを求めて(1)を必要としてきます。そう考えると、人間の本質としては、(1)~(4)までが揃って初めて落ち着いたコミュニケーションができるのではないかと思います。

 最近の新型うつが目立っている状況は下記の条件が揃ったからではないでしょうか?

  1. 社内でもメールや電話でのコミュニケーションが主流になり、対面で話す機会が減った。
  2. 一緒に仕事をする人の人柄を知る機会が減った。
  3. 対面コミュニケーションを苦手とする若手社員が多い。
  4. 若手に辞められないようにと必要以上に気を遣う、気を遣うように人事に指示される。
  5. セクハラやパワハラを必要以上に恐れて、表ニコニコ裏イライラみたいな上司が増えている。

4と5が意味することは、実は世代を超えたコミュニケーションが苦手という中高年層の問題ではあるのですが、本質的に対面コミュニケーションが苦手という人たちではないので、1,2,3を解決することが近道なのではないかと思っています。

 1と2は組織運営の仕方でどうにかなりますし、そういうコンサルティングをしてきた身としては、なんとかなった事例を知っています。しかしながら、3は4と5の影響もあって、そのまま置き去りにされてしまうこともあります。もちろん、3は、1と2ができてくると少なからず改善されていくのですが、そもそもの問題として、対面コミュニケーションの旨みを知ってもらう努力はして行かないといけないのだと思います。

 企業さんによっては、飲み会参加をポイント制にして一定以上ポイントが貯まると少額のボーナスが支給するような取り組みをしている企業もあるようです。一見バカバカしいように思いますが、中高年層の世代間コミュニケーション力の向上にもつながるでしょうし、対面コミュニケーションの場を増やすという意味では、大変重要な取り組みだと思います。

対面で話す機会を増やす

 IT化された時代だからこそ、必要なことではないかと思っています。

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