インフラ系大企業にいたときに、一番違和感を覚えたこと

この記事は、作成日から13年経過しています。内容が古い可能性があります。またこの記事は、大幅なデザイン変更前に書かれたものですので、レイアウトが崩れている可能性があります。ご了承ください。

鉄道はこれから先、収入増加の見込みは減るから、キミ等の世代は大変だよ。ボクたちは逃げ切れるけど。

 このセリフは、総合職・現場採用問わず、当時(8年~4年ほど前)、40歳半ばを超えた方々の多くが口にしていました。私はJR東日本にいましたが、このセリフを聞くたびに頭にきて、「逃げきるとかどうこう言う前に、収入増加に対して徹底的に考えて何とかしようという気はないのですか?」と投げかけました。が、そもそもこういうセリフを言う人は、会社にぶら下がる気満々ですでに現役としての思考が止まっているので、何を言っても無駄です(ということに、後々気づきました)。

 この例にように、超安定的な大企業では、多くの人は根源的なリスク(たとえば、明日生活できるかどうか)をとらないまま出世していきます。たとえば、彼らにとって、出世に響くような思い切った発言を上司に対してすることは、すでに大いなるリスクテイクなのです。

そんな彼らが、もし、会社の存亡の危機に面したらどのような対応をとるか?

 答えは一つです。

徹底的に自分たちのライフプランを守ります

もちろん、使命感を持った人もいるので全員ではありません。ただ、インフラ系企業だからこその新入社員時代の大きな誇りは、このような環境の中で多くの人の心から抜け落ち、ライフプランを維持することがいつの間にか目的になっていっているのです。

 いまの日本の本質的な問題の一つと思っています。日本の文化では多くの優秀な頭脳がインフラ系大企業に入ります(不況だからなおさら)。野心がある人は、とっととやめて、自分なりになにかを始めますが、多くの人は、安定の甘い蜜に誘われて、そのまま考えるのを止める人生に入っていきます。早いうちに考えるのをやめてしまう環境があることこそが日本の活力を奪っているのだと感じます。多くの人はどんなに頭が良くとも精神的に強くありませんから、居心地がよければそこに安住してしまうのです。

 今回の東電ニュースを聞いていると非常に多くの部分で「共感」できてしまいます。若干、在職していた会社の批判のように感じられるかもしれませんが、今回の東電に対する対応がJALよりも甘いとしたら、インフラ企業に妙な安堵感を与えてしまい、体質的に悪影響を与えるものと感じています。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次