味を変えるか、値段を維持するか。

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 東京下町のとあるエリアに私が大好きな惣菜屋さんがあります。メンチカツとコロッケがかなり有名な店(取材されるくらい)なのですが、実は、鶏の唐揚げもおいしいのです。先日、半年ぶりくらいにワクワクしながら訪問したのですが、残念なことがありました。

明らかに味が変わっている

 味が変わっている、私にとってみれば味が落ちているのです。従来のファンであれば、その変化に気づくはずです。どちらかというと、どの商品もしっかりとした味付けのコクのあるタネを使っていて、良質のラードで揚げた、濃い味好きに好まれる品々です。今回食べて思ったのは、明らかに油は変わったこと、コロッケに限っていえば、タネの味も落ちたように思います。決して、まずくはないのですが、味の方向性を転換したように思います。

 たしかに取材を頻繁に受けているような店ですから、味の方向性を変えたところで、お客さんの足が急に止まることはないでしょう。それなりに地位を築いた有名な店舗が味を変えるということは、一般的には、利幅をあげる戦略をとったと考えるのが妥当です。しかも、本件では、それを販売価格を上げるのではなく、原価を落とすという形で。

 私は、町の小さな店舗は、絶対に価格を維持したり下げたりする戦略はできるだけとるべきではないと考えています。ましてや、普通にお客さんが多いお店であれば、味を保つべく、自信を持って価格をあげてもたいてい大丈夫です。私のお客さん先で、原価率やPRしかたの問題で業績がイマイチというところがあります。しかし、味の評判は決して悪くないので、価格を上げ、PRのしかたをウェブ中心に変えたらあっという間に業績が跳ね上がりました。

 価格を上げるとお客さんは来なくなると思いがちです。しかし、飲食店は味が命です。味が変わったり、素材を落とすことが一番致命的であることを忘れてはいけません。

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