日本でSNS・マイクロブログが流行る条件

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 いま日本でには、数え切れないほどのSNSやマイクロブログといわれるサービスが存在します。mixi(ミクシィ),twitter(ツイッター),facebook(フェイスブック),myspace(マイスペース),tumblr(タンブラー),linkedin(リンクトイン)…ひょっとすると、聞いたことがないものも含まれているかもしれません。国産のmixiを除くと、それ以外のサービスは世界的にはかなり有名で会員数の多いSNS系サービスです。しかし、多くは日本人になじみがないものです。

 海外系のサービスで、すでに誰もが知っているのはtwitterです。今回の東日本大震災でも大いに活用されたことから、日本国内で知らない人はほとんどいないでしょう。一方で、facebookはどうでしょうか?ビジネスマンであれば、そこそこ知っているというところでしょうか?しかし、そのほかの海外系3つのサービスになれば、SNSに興味がなければ、ほとんどの人が知らないでしょう。

 では、国内で流行る条件は何なのか?結論からいえば下記の3つだと思います。

  1. 完全に日本語化されている
  2. 日本従来の携帯電話から利用できる
  3. 物理的距離をおぎなう目的ではなく、緩い一体感を呼ぶことが目的である

1と2は日本人の特性(外国語アレルギー率が高い、携帯からのネットアクセス率が高い)から理解できると思いますので、細かには解説しません。3について解説します。

 国際舞台でSNSが活用される目的の中で、非常に大きな位置づけにあるのは、物理的な距離をおぎなうことです。とくに、世界的に飛び回って仕事をしていたり、留学していたりといった経験があると、各地に友人・同僚がいて、手軽なコミュニケーションツールを模索します。もちろん、共通の趣味の「出会い」を求めたりという趣旨もありますが。とくに、facebookは実世界での友達や同志がコミュニケーションをとるということを前提に発展してきたので、より一層物理的距離を補うという目的が強くなります。

 一方で、日本人の実情を考えると、多くの人は、あまり物理的な距離をおぎなうことをSNSに求めていません。これは社内SNSがいまいち流行らない理由にも該当しますが、「会えばいいじゃん」という思考がかならずどこかに存在するからです。また、海外にでていく人が少なく、外国人とのコミュニケーションが少ないという点からも、物理的な距離の限界は国内にとどまる人たちが多いのです。

 ここで、具体的にツイッターとフェイスブックを比較しながら考えてみます。ツイッターが流行ったのは、緩い一体感を呼ぶというところに確実にマッチしたからです。これは、ミクシィやグリーのゲームアプリやアメーバピグのようなものと同様です。これら3つはゲームを通じて、緩いコミュニケーションをとり、緩い一体感を呼ぶわけです。人間は、一体感というものを感じたがる生き物だと考えています。たとえば、実世界で目の前が火事など危機的な場面に遭遇するとしましょう。普段は話さないであろう近くにいる人たちと、連携をとったり情報を共有したりして解決にあたり、妙な仲間意識が生まれたりします。ツイッターも似たようなところがあります。今回の震災の事例を考えてみるとわかりますが、ある被災地の方が「~で困っている」と発信すると、そこに対して一斉に協力するわけです。この緩い一体感に妙に燃え上がる使命感のようなものを感じる人もいると思います。こういうことを体験した人たちが、

「ツイッターはいいよ。なんか、いいよ。よくわかんないけど、いいよ。」

というわけです。もちろん、ほかのSNSやメーリングリストなどでも起きることですが、ツイッター上では、実世界に近い速度と環境で起こるのです。

 一方、フェイスブックはどうか。基本的には、実名主義で、会ったことがある人たちとコミュニケーションをとることを目的としたSNSです。よって、国際的なコミュニケーションを必要とする人たちの利用が目立ちます。大学の教授、院生、留学生、国際的に活躍している実業家などなど。最近は、フェイスブックをツイッターライクに、友達4000人などという状態になっている人も見かけますが、これはfacebookの日本流の使い方ということになるのだと思います。しかし、これではコンセプトがツイッターと同じになってしまい、ツイッターに負けてしまうでしょう。つまり、フェイスブックは、どちらをむいても(本流であれ、最近出てきた利用法であれ)緩い一体感をよぶツールとはいいにくく、流行る可能性は低いのではないかと感じています。 

 まとめになりますが、日本人の多くは普段は保守的だけれども、いざとなれば、見知らぬ人とでも協力し合う精神は大変旺盛。そんな中で流行る条件は、

  1. 完全に日本語化されている
  2. 日本従来の携帯電話から利用できる
  3. 物理的距離をおぎなう目的ではなく、緩い一体感を呼ぶことが目的であること

でないかと考えています。

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