打ち手がみえる従業員満足度調査の設計方法(2):質問設計

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 前回は調査を実施する環境について書きましたので、今回は質問項目設計について書きたいと思います。質問項目の設計でやりがちな失敗は、

聞きたいと思ったことを場当たり的に並べる

というものです。マクロミルのアンケートなどでもそうですが、何も考えてないで聞きたいことだけ聞いているでしょう?と思えるアンケートというのはたくさんあります。つまり、

データを集めて分析した結果をもとに何をしたいのか?

を明確にしないで質問を設計してしまうわけです。もちろん、設計ミーティングを始めたときには目的があるはずです。ただ、質問設計が深まってくるとあれも聞きたい、これも聞きたいという状況に陥る場面はいくつも目の当たりにしてきました。ただ、多くの場合、分析の際に後悔するのです。

 さて、それでは失敗しにくい質問項目の設計手順について考えます。大きな手順は下記のとおりです。

  1. 調査の目的を明確にする
  2. その結果をもとに、何を実現したいのか明確にする
  3. 目的をもとに、実現したいことを実現するために必要な実行項目を明確にする
  4. 実行項目をもとに質問文案を設計する

それぞれについて細かく解説するのは別の機会に譲りますが、質問文案はいきなり考えないということを大切にしていただいたいと思います。

 次に、質問文をつくるときの注意事項です。まず、下記の文章を「はい・いいえ」で答えるシーンを想定してください。

「あなたの職場では、丁寧な接客・電話対応をしている人が多い。」

この質問文をどう感じますか?この質問は一見よさそうな質問なのですが、実は好ましくない質問文です。ひとつの質問の中に聞いていることが2つ含まれているからです。たとえば、回答する人が「私の職場には、接客は丁寧だけど、電話対応は適当な人が多いんだよな。はいかな?いいえかな?」と感じたとき、人によって、「はい」と答えるか「いいえ」と答えるか分かれてしまいます。そこで、質問文を下記のどちらかにするとこの問題は解決します。

「あなたの職場では、接客と電話対応の両方とも丁寧な人が多い。」

少しクドイ文に感じるかもしれませんが、文章構成の論理性を意識しながら書くことが回答者の質問文の捉え方のズレを抑えるポイントです。

 次回は、より気軽に答えてもらえるWEB調査票の設計方法について書きます。

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