冨山陽平のブログ “思いきり やりぬく”

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ソーシャルメディア時代の機密情報管理のあり方

2010/10/04 (月)

 様々な理由で、twitterやfacebookに代表されるソーシャルメディアへの社内からのアクセスを禁止している企業は非常に多いと云われています。アメリカでは、昨年10月段階で54%の大企業がブロックしているというデータがあります。日本でも正確な統計は把握していませんが、有名企業や機密性を大事にする企業では禁止しているという話を耳にします。これには下記のような危険性が理由として挙げられます。

  1. 機密情報漏洩
  2. 業務の密度が薄くなることによる残業時間の増加
  3. 悪質な噂が社内で流通することによる社内風土の悪化
  4. ある社員が発した外部に対して発した問題情報によるブランドイメージの悪化
  5. バーチャル上での経営に対する社員のデモ組織化

 ソーシャルメディアの社内利用については賛否両論ありますが、わたしは、賛成の立場です。理由は、デメリット以上に享受できるメリットが多いことと、そもそもソーシャルメディアを通じた情報の流れを抑制することは公私共に難しいということです。私が考えるソーシャルメディアのメリットは、上記に挙げたデメリットの裏返しだと思っています。つまり、

  1. 機密情報漏洩の抑制
  2. 業務の無駄な手続きを省略することによる残業時間の短縮
  3. 普段接しない人も含めて互いに必要に応じて情報交換ができることによる社内風土の良化
  4. ある社員が外部に対して発する情報の質の高さによるブランドイメージの向上
  5. バーチャル上での経営ビジョンの浸透による社員の経営に対する信頼感の向上

になります。理由を簡単に説明します。1:人はダメと言われると言いたくなるが、公然といえる場があると、逆に控えようとする動機が生じるということです。これは、信頼を裏切りたくないという心が働くからと考えます。2:たとえば、業務上自分が必要としている情報を、誰がもっているかを直観的に知りうるネットワークをバーチャル上でもっていることで、無駄な手続きをすることなく情報をえることができ、業務速度をあげることが考えられます。3:たとえば、開発の社員が、営業の社員が顧客から得てきた情報をソーシャルメディアを通じて知ることで、モチベーションの向上につながったり、営業との連携の中でより質の高い製品づくり・改善に繋がったりすることが考えられます。4:社員の人柄が、外部の人からみて感じ取れることで、顧客に対して真剣な会社・働きやすい会社などのプラスイメージを自然ともってもらえることで、ブランドイメージの向上につながると考えます。5:経営ビジョンは一方的な冊子や社長メッセージだけではなかなか理解出来ないものです。ソーシャルメディアを通じて情報交換の場で本質や背景をきちんと理解してもらい、信頼感の向上に繋がることが考えられます。

 すなわち、運用や発言の最低限のルールを作った上で社員に活用させることが、メリットを生むと考えています。デメリットを探して、それを規制することは簡単です。ただ、それは歪となってどこかで暴発しようとするエネルギーが働くことを忘れてはいけません。結局、プライベートに利用しているソーシャルメディア上で会社の悪口をいわれたり、情報漏洩が発生すれば、似たようなものなのです。むしろ、社員がありのままの自分で表現できる環境を社内に構築する中で、最低限のルールを設定し、守ってもらうことが重要なのだと考えています。これは、EC Studio社の事例からも理解できます。

 いま、ソーシャルメディア利用を通じた情報の流れを止めようとするのは、川をせき止めようとしているのと同じです。せき止めてもどこかから吹き出します。そして、ほかにより強固な支流ができ、へたをするとそちらが本流になってしまい、もとの本流には、水がほとんど流れないという状況が起きえます。情報の流れを止めようとするのではなく、情報の流れに対する治水をきちんとしていき、治水に失敗したら、新たな治水のしかたを考えるということをしていくほうが時代の流れにも沿っていて、結果的には情報量が多く、変化に強い企業になるのではないかと考えます。

カテゴリー: ITの適正活用

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