これあらたの経営変革とは(革新・改革・改善ではなく変革である)

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 経営変革・経営改革・経営改善・経営革新…経営の何かを変えるという言葉はたくさんあります。それぞれ明確に切り分けられるわけではないと思いますが、辞書的定義や歴史的な利用法(たとえば、夜中のアコーディオンさんの記事など)から、私は下記の通り定義しています。

  • 経営改善:現在の業務の中の問題がある点を良くしたり、良い点をさらによくするというような、小さな変化をもたらす手段
  • 経営改革:現在の経営基盤・業務プロセスなど仕組みを可能な限り活かしながら、大きな変化をもたらす手段
  • 経営変革:まず、理想を描き、新たなしくみを考えるが、今まで培ってきた価値観・強みなど核となってきたものを大切にしながら、理想に近づけていく手段
  • 経営革新:まず、理想を描き、現状は特に考えず、とにかく理想を目指していく手段

 この定義に則ると、弊社は、ITを活用して、経営変革と経営改善をしています。経営革新はしませんし、経営改革もしません。これには、理由があります。経営革新については、理想を描き近づけるわけですから、非常に魅力的に感じるのですが、現状を深く考慮しないものと思っています。製品開発等では、それが良い方向に働くこともありますが、リスクが極めて大きいのも事実です。また、現状との乖離が大きい場合は、コンサルタントが離れたあとに、新しいしくみが機能不全に陥るリスクも低くありません。経営変革については、現状の延長上で考えても、所詮は延長上でしかなく、きわめて内向きな視点で変化が起きていくので、本質的な変化にはつながらないと考えています。

 経営変革は、理想と現実をきちんととらえて、ギャップを段階的に埋める方法です。まず、実現可能かどうかは無視して、とにかく色々な角度の情報を集めて、現実の延長上ではなく社会のニーズを十分に意識した理想を描きます。次にきちんと現状を把握します。この両面を踏まえて、段階変化像を描きながら、一つ一つ丁寧に変えていきます。たしかに、理想と現実のギャップを常に意識しながら進めていきますから、革新や改革よりも時間がかかります。ときには、後戻りすることもあります。時間がかかりますが、確実に定着するものを意識するのが、これあらたのやり方です。

 現状や今まで培ってきたものをを大切にしたいけれども、目指したいものもあるというお客さまとは、非常に親和性が高くお付き合いさせていただいております。このような話をすると、それは資金に余裕があるお客さまだけではないかと言われますが、弊社のお客さまは必ずしも潤沢に資金がある方ばかりではありません(というと、怒られそうですが…)。裏をかえせば、いくらでも安く進めるやり方はあるということです。きちんと理想を描かなかったり、理想のみを描いたりして進めるから、必要以上にお金がかかるということが起こりうるのです。

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