冨山陽平のブログ “思いきり やりぬく”

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街の小売業(飲食店等)が適正に融資を受けるための事業計画書

2010/01/28 (木)

 今回は、融資事例についてご紹介したいと思います。とある飲食店のITを活用した売上回復コンサルをしている過程で、融資が必要となり、融資を取り付けた事例です。決算書上は債務超過に陥っている会社でも借りられる方法として、ご参考になるかと思います。

 こちらの会社は、お話を伺っていると、非常によいコンセプトで販売しているのに、販売拡大に対する打ち手が目先のものになっていて、十分に機能していないため、売上が少しずつ減っているという状況に陥っています。こういうご時世の波がそれに拍車をかけ、資金繰りが自転車操業化してしまっていて、売上が下がるから、経費も削減する。経費を削減する意識が強くなって、販売拡大に対する施策を打つことに及び腰になってしまう。打つとしても、数千円・数万円で済むものに限定されてしまうのです。つまり、焼け石に水です。本質的な解決につながる打ち手ではないのです。

 社長と私で問題状況を整理して、社員が現状感じていることも加えて検討すると、決して売上を伸ばせないことはない。むしろ、伸びしろが相当にあることがわかってきました。要するに、商品コンセプトがきちんとお客さまに伝わっていない可能性が高いわけです。それに基づいた販売戦略を打っていくわけですが、なにしろ先立つものがありません。すでに、借入金もかなり多く、債務超過の状況に陥っています。

 このような状況で、どのように借入をおこなっていくのか?巷でよく聞くのは、「いまのご時世だから、自治体の緊急認定さえもらってしまえば、どこでも簡単に貸してくれるよ!」ということです。確かに、借りるには借りられるでしょう。ただ、事業計画を考えずに借りることは、ただ負債を増やすだけです。計画なくして借りた場合、だいたい湯水のごとく使ってしまい、いつの間にか、なくなっていたということになるのです。お金というのは、あると不思議と使ってしまうのです。私も経験があります…面倒でも借りるときには、使用目的・返済可能根拠・売上が伸びる(戻す)根拠をきちんと考えた計画書を作成しましょう。この計画書は、金融機関のためだけに作るのではありません。なにより、将来の自分たちのために作るのです。その計画書には、以下の3つが明記されていることが大切です。

  • 何のためにいくら必要か?(売上を伸ばす、利益を上げるための打ち手に必要な資金とそれが効果を発揮するまでに必要な運転資金の合計)
  • 他の借入がある場合、どのように並行して返済していくか?たとえ、現状の売上のままだとしても、返済に無理のないゆとりある返済計画ができているか?
  • 売上を上げるために、どのような経営・営業をおこなっていくか?

もし、この3つがきちんと盛り込まれていない計画書だと、何が起きるか?よくあるのは融資金額の減額です。金融機関側でも必要資金の根拠が読めませんから、貸付額の減額をしてきます。そもそも、本当に返してもらえるのか懐疑的になる可能性もあります。少なくとも今回ご融資いただいた事例では、この3点は盛り込んだものですし、経営者の安心感と危機意識の維持につながり、金融機関の融資担当者にとっても、上司に説明するためのわかりやすい材料になりました。

 本事例では、この融資をもとにして、今後ITを活用した売上回復計画を推進していきます。万が一売上アップが失策に終わっても、売上維持さえできれば、決して無理のない返済計画ですので、比較的ローリスクな経営環境で進めることができます。逆に、売上維持さえ無理と私が感じたら、融資はオススメしなかったと思います。違う手を考えました。

 

カテゴリー: 組織(風土)変革

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